庭野日敬開祖とは

開祖 庭野日敬

庭野日敬(にわの・にっきょう)開祖は、1906(明治39)年11月15日、新潟県中魚沼郡十日町大字菅沼(現在の十日町市菅沼)に生まれました。

人に尽くすことを喜びとし、人望の厚かった祖父・重太郎や、「なるべく暇がなくて、給料の安い、骨の折れる所へ奉公するように」と諭す実直な父・重吉らの教えを受け、16歳の夏に上京。その後、漬物店、牛乳店などを生業とする一方、恩師である新井助信師や長沼政(のちの長沼妙佼脇祖)との出会いを経て、立正佼成会を創立したのは1938(昭和13)年3月5日、31歳のときでした。
「人を救い、世を建て直す」。その願いと使命感を胸に、以来、一心に法華経に帰依し、慈悲の実践に徹しました。
また「真の平和は宗教心の涵養による以外にはない」との信念から、「国民皆信仰」、「明るい社会づくり運動」を提唱すると共に、世界の平和境建設をめざして宗教者同士が手を携える必要性を訴え、国内外で積極的に宗教協力活動を展開。WCRP(世界宗教者平和会議)やACRP(アジア宗教者平和会議)の創設・運営に力を尽くしました。さらに、過去3回行われた「国連軍縮特別総会」では、世界の為政者に非武装による平和を重ねて呼びかけるなど、世界平和の構築に情熱を傾注しました。

これらの活動が認められ、1979(昭和54)年には宗教界のノーベル賞といわれる「テンプルトン賞」(テンプルトン財団)を受賞。このほか、アルバート・シュバイツァー博士の生誕100年を記念して創設された「ユニクェスト・シュバイツァー賞」、ローマ教皇庁の「大聖グレゴリウス勲章」、キリスト教・ユダヤ教国際協議会の「インターフェイス・メダリオン(宗教対話促進賞)」など、数多くの賞を受けています。 1991(平成3)年11月15日に法燈継承式が挙行され、長男・日鑛に会長位を委譲したのちも、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と共にバチカンでのWCRPⅥ(第6回世界宗教者平和会議)に出席するなど、生涯、平和への変わらぬ熱意を抱き続けました。

1999(平成11)年10月4日、92歳で入寂。「宇宙の真理はただ一つであり、各宗教はその真理の多様な表現にほかならない。人々もまた、心の奥底にはだれもが仏性を宿し、世界の大調和を希求している。本来、皆、一つの乗り物の同乗者なのだから、共々に自己の閉鎖性、独善性を打ち破り、拝みあい、認め合い、分かち合い、協力し合おう――」。法華経を貫く「一乗」の精神を自らの願いとし、世界平和と人類救済にすべてを捧げたその生涯を称え、庭野日鑛会長は法号「開祖日敬一乗大師」をおくりました。また、2000(平成12)年10月1日、庭野開祖を顕彰する「一乗宝塔」が、法輪閣庭園に建立されました。

庭野開祖には、『新釈法華三部経』(全10巻)『仏教のいのち法華経』『法華経の新しい解釈』『脚下照顧』(正・続)『瀉瓶無遺』『人生、心がけ』『開祖随感』『この道』など多数の著書があります。